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葬儀コラム

挨拶・弔辞・文例集

献杯の挨拶 そのまま使える例文集|意味・乾杯との違いも解説

献杯を行う弔事の会食の祭壇のイメージ

献杯(けんぱい)とは、故人様に敬意を表して杯を捧げることです。通夜振る舞いや精進落とし、法要後の会食の始まりに行われ、音頭を頼まれたら30秒〜1分の短い挨拶と「献杯」の発声を担います。乾杯とは違い、杯を高く上げたり打ち合わせたりはせず、唱和も静かに、拍手もしないのが作法です。

この記事では、そのまま読み上げられる場面別・立場別の例文を中心に、作法・避けるべき言葉・音頭の頼み方までをまとめました。急いでいる方は、該当する場面の例文へお進みください。

献杯とは|意味と行うタイミング

故人を偲ぶ遺影と供花のイメージ

献杯とは、弔事の会食の席で、故人様を偲び、その杯を捧げる行為です。会食は「お斎(おとき)」とも呼ばれます。単に飲み物を口にするのではなく、故人様への敬意と、参列してくださった方への感謝を込めて行う、静かな儀式です。

献杯は、次のような会食の席で、食事を始める前に行われます。いずれも故人様を供養し、参列者が思い出を語り合う場です。

会食(お斎)行われる場面
通夜振る舞い通夜のあと、弔問客をもてなす席。故人様との別れを惜しみ、思い出を語り合う
精進落とし火葬後または初七日法要のあとの席。僧侶や手伝った方への感謝と労いを込める
法要後の会食四十九日・一周忌・三回忌などの年忌法要のあと、参列者と故人様を偲ぶ席

献杯の音頭は、喪主・親族の年長者・故人様と親しかった友人が務めるのが通例です。挨拶に決まった資格はなく、喪主から指名を受けた方が担います。

献杯と乾杯の違い|4つのポイント

弔事を象徴する白菊のイメージ

献杯と乾杯は、どちらも杯を掲げる行為ですが、目的も作法も逆といえるほど異なります。祝いの席と同じ調子で行うのは禁物です。違いは、次の4点に整理できます。

項目献杯乾杯
杯の高さ胸の高さで軽く掲げる高く掲げる
グラスを合わせる合わせない合わせることが多い
発声静かに「献杯」と低めの声で明るく大きな声で
唱和のあと拍手せず、一口飲んで食事へ拍手することが多い

当日の流れは、「一同着席(または起立)→杯に飲み物が行き渡る→音頭の挨拶→『献杯』の発声→静かに唱和して一口→着席し食事開始」です。飲み物はビールや日本酒が多いものの、お茶やジュースで行っても失礼にあたりません。

故人様の位牌や遺影の前にも一杯を供える陰膳(かげぜん)の杯を用意すると、より丁寧な形になります。

以下の記事では葬儀から法事までの流れについて、詳しく解説しています。

板橋区・荒川区の葬儀から節目ごとの法事まで|家族葬専門 自由なお葬式

例文|通夜振る舞い・精進落とし(葬儀当日)

通夜振る舞い・精進落としの会場のイメージ

葬儀当日の会食では、喪主または親族が音頭を取るのが一般的です。参列への感謝を中心に、簡潔にまとめます。

喪主が行う場合(約30秒)

本日はご多用のところ、父○○のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。皆さまに見送っていただき、父もさぞ喜んでいることと存じます。ささやかではございますが、お膳をご用意いたしました。父を偲びながら、お召し上がりいただければ幸いです。それでは——献杯。

親族代表が行う場合(約40秒)

ただいまご紹介いただきました、故人様の弟の○○でございます。本日は兄のためにご参列いただき、親族を代表して御礼申し上げます。兄は家族思いで、酒の席では誰よりも場を明るくする人でした。今日はその兄を偲び、思い出話とともに杯を捧げたいと存じます。ご唱和をお願いいたします——献杯。

会社の代表として行う場合(約40秒)

株式会社□□の△△でございます。本日は、○○さんとのお別れの席にお招きいただき、ありがとうございます。○○さんには長年、職場でご指導をいただきました。真摯なお人柄は、私ども一同の心に深く残っております。ここに謹んで、○○さんに杯を捧げます。皆さま、ご唱和をお願いいたします——献杯。

例文|四十九日法要後の会食

四十九日法要後の会食のイメージ

四十九日は、忌明けの区切りとなる法要です。無事に迎えられたことへの感謝を、ひとこと添えると自然です。

喪主が行う場合(約30秒)

本日はお忙しい中、母○○の四十九日法要にお越しいただき、ありがとうございました。おかげさまで、無事に忌明けを迎えることができました。母の思い出話などお聞かせいただきながら、ごゆっくりお過ごしください。それでは、ご唱和をお願いいたします——献杯。

親族が行う場合(約40秒)

故人様の甥にあたります○○でございます。本日は叔母の四十九日にお集まりいただき、ありがとうございます。早いもので、四十九日を迎えました。叔母は面倒見のよい人で、私も幼い頃から、ずいぶん世話になりました。叔母を偲び、杯を捧げます。ご唱和をお願いいたします——献杯。

例文|一周忌・三回忌など年忌法要後の会食

一周忌・三回忌など年忌法要の会食のイメージ

年忌法要では、月日が経ったことへの感慨や近況を交えると、和やかな会食につながります。

親族が行う場合(約40秒)

故人様の長男の○○でございます。早いもので、父が旅立ってから一年が経ちました。皆さまに変わらずお心にかけていただいていることを、父も喜んでいると思います。本日は父を偲び、近況などもお聞かせいただければ幸いです。それでは——献杯。

友人代表が行う場合(約40秒)

○○さんとは学生時代からの友人で、△△と申します。本日はご法要の席にお招きいただき、ありがとうございます。一年経った今も、ふとした時に彼の笑顔を思い出します。今日は懐かしい話をしながら、彼に杯を捧げたいと思います。ご唱和をお願いします——献杯。

例文|ごく短くてよい場面(身内のみ)

身内だけの静かな会食のイメージ

家族だけの席や、司会を立てない小さな会食では、長い挨拶はかえって不向きです。次の一言で十分に成り立ちます。

それでは、○○を偲んで——献杯。

身内だけの席では、この一言で足ります。長さより、静かに心を合わせることが献杯の本質です。

挨拶の組み立て方と避けるべき言葉

献杯の挨拶の組み立て方のチェックリスト

献杯の挨拶は、次の3部で組み立てると迷いません。エピソードは一つに絞り、1分を超えないことが目安です。会食前の挨拶が長いのは、それ自体が配慮に欠けると心得ておきます。

  • 自己紹介(続柄・故人様との関係)
  • 故人様への短い言葉(思い出や感謝を一つだけ)
  • 献杯の発声(一拍おいて、静かに「献杯」)

避けるべき言葉は、主に次の4種類です。

種類避けたい言葉・言い換え
忌み言葉重ね重ね・たびたび・くれぐれも(重ね言葉)/再び・追って(不幸の再来を連想させる)
直接的な表現死んだ・急死 →「ご逝去」「旅立つ」「他界」と言い換える
宗教に合わない語「ご冥福」「成仏」は仏式の言葉。神式・キリスト教式では「安らかな眠りをお祈りします」に
乾杯の癖「それでは乾杯」と言い間違えないよう、発声の直前に一拍おく

宗派による違いにも注意します。浄土真宗では「ご冥福」を用いないのが正式です。亡くなった方はすぐに仏になるという教えのため、冥福を祈るという発想を取りません。宗派が分からないときは、「安らかな眠りを」と述べれば角が立ちません。

忌み言葉を避けるのは、不幸が重なることや再び訪れることを連想させないためです。神経質になりすぎる必要はありませんが、重ね言葉と直接的な死の表現の二つだけは、事前に言い換えを決めておくと安心です。

献杯を頼まれたら・頼むなら

献杯の音頭を依頼する連絡のイメージ

音頭は、喪主・親族の年長者・故人様と親しかった友人に依頼するのが通例です。依頼する側は、会食が始まる前に声をかけます。席上での突然の指名は避けるのが親切です。

頼まれた側は、短くても断らずに引き受けるのが礼儀とされています。この記事の例文をそのまま読み上げて構いませんし、手元のメモを見ながら話しても失礼にはあたりません。要は、故人様を悼む気持ちが伝わることです。

うまく話そうと気負う必要はありません。緊張して言葉に詰まっても大丈夫です。一生懸命に伝えようとする姿勢は、必ず参列者に届きます。当日は、流暢さよりも心を込めることを第一に考えてください。

献杯に関するよくある質問

献杯に関するよくある質問

献杯について、ご相談の際によくいただくご質問をまとめました。

献杯は必ず行うもの?

献杯は必ず行うものではありません。地域やご家庭によって異なるのが実情です。喪家の意向と、その地域の慣習に従ってください。

お酒が飲めない場合は、どうすればよい?

お酒が飲めない方は口をつける仕草だけで十分です。ソフトドリンクやお茶で唱和しても、まったく問題ありません。車を運転する方も同様です。

献杯のあとは、歓談してもよい?

構いません。献杯のあとは通常の会食です。故人様の思い出を語り合い、和やかに過ごすことが、なによりの供養とされています。

献杯は、立って行うもの?

献杯は起立して行うのが丁寧ですが、会場の広さや参列者の年齢によっては、着席のままでも構いません。司会や喪主の案内に合わせるのが基本です。

うっかり「乾杯」と言い間違えたら、どうすればよい?

言い直せば問題ありません。場の空気を重くしないよう、落ち着いて続けてください。誰にでも起こることです。

板橋区・荒川区の法要・会食のご相談は「自由なお葬式」へ

法要・会食の相談窓口のイメージ

私たちは、通夜振る舞い・精進落とし・法要後の会食の手配から、当日の進行や献杯の段取りのご相談までお引き受けします。音頭を誰に頼むか、飲み物や席順をどうするかといった細かな点も、経験を踏まえてご案内します。

直営の会館は2か所です。会食のできる控え室や設備は、会館ページからご覧いただけます。

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以下の記事ではご逝去から葬儀までの流れについて、詳しく解説しています。

板橋区・荒川区でご逝去から葬儀までの流れ|自由なお葬式