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葬儀コラム

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【知っておきたい】出棺時と火葬場でのマナー|喪主側と一般参列者側それぞれについて解説

お別れ花

葬儀・告別式を滞りなく終えたのち、故人様は参列者に見送られながら、ご遺族様やご親族様とともに火葬場に向けて出立します。
こうした出棺の儀式も、故人様の安らかな旅立ちを祈る式典の一部ですので、見送られる側の喪主様・ご遺族様、見送る側の参列者ともに礼節を重んじた振舞いが求められます。

とはいえ、身近な方のご葬儀は何度も経験するものではありませんので、初めて喪主を務められる方、あるいは葬儀に参列される方が、不安に感じるのも無理はないでしょう。
しかしながら、あらかじめ出棺の流れを把握したうえで、出棺時や火葬場でのマナーを知っておけば、落ち着いて対応できます。

この記事では、葬儀における出棺の流れ、ならびに出棺時と火葬場でのマナーを、喪主様側と一般参列者様側に分けてご紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、ご葬儀の際に慌てることのないよう、お役立ていただければと存じます。

出棺の流れ

お花入れ

出棺は葬儀・告別式が終わり、故人様を火葬場へお送りする儀式です。
地域によって多少の違いはあるものの、一般的な出棺の流れは以下のとおりです。

1.故人様とご対面をする

ご遺族様、ご親戚、故人様と生前親しかったご友人など、葬儀に参列した方々が、故人様とご対面して最後の別れを告げます。
葬儀社スタッフが棺を祭壇から会場の中央に移し、お棺のふたを開けてくれますので、故人様とお顔を合わせて別れを惜しみます。

2.別れ花を手向ける

葬儀社スタッフが、祭壇に供えられた生花などを献花盆に載せますので、喪主様から順に受け取って故人様のまわりに飾ります。
お花入れは故人様と関係の深い方を中心におこなうのが一般的ですが、一般参列者様にも別れ花を手向けていただくよう、ご遺族様が希望されるケースも少なくないようです。

通常は菊やユリなどの落ち着いた色の花が使用されますが、ご遺族様の希望の花を入れることもできます。
このとき、故人様の愛用品や手紙などがあれば棺に入れますが、入れてよいものといけないものがありますので、スタッフの指示に従いましょう。

3.釘打ちをおこなう

ご遺族様が喪主様から順番に、棺の頭の部分を小石で軽くたたいて、釘を打つ仕草をします。
宗派や寺院によって、釘打ちがおこなわれないこともあるほか、近年では釘打ちの儀式は省略されることも多くなっているようです。
釘打ちの儀式には「死の穢れを封じ込める」という意味があるといわれていますが、迷信や俗信の一切を否定している浄土真宗の葬儀では、基本的に釘打ちの儀式はおこなわれません。

4.霊柩車へ故人様を運ぶ

棺はかなりの重さがあるため、一般的にご遺族様、ご親戚、故人様と親しかったご友人など、おもに男性が棺を霊柩車まで運びます。
スタッフの指示により、6人から8人ほどで棺を持ちますが、人数が少ない場合は葬儀社スタッフもサポートします。

霊柩車に乗せるときや、火葬場に着いて霊柩車から運び出す際は、ご遺体の足側を前にして運びますが、これには「故人様が戻ってこないように」という思いが込められているようです。
お棺を霊柩車まで運ぶ際には、葬列を組んで移動するのが通例となっており、以下のような順番で進むのが一般的です。

  1. 僧侶が先導する
  2. 喪主様が位牌を持つ
  3. 喪主様の次に関係の深いご遺族様が遺影を持つ
  4. 棺が続く
  5. あとのご遺族様・ご親族様が続く

5.喪主様が出棺の挨拶をする

お棺を霊柩車に納めたら、喪主様と遺影を持ったご遺族様は、見送りの一般参列者様と相対するかたちで並びます。
最後に、喪主様(あるいは親族代表様)が、参列いただいた方々に感謝を込めて挨拶をおこないます。

6.霊柩車で火葬場へ向かう

喪主様(あるいは親族代表様)の挨拶が終わったら、霊柩車で火葬場へ向かいます。
一般的に火葬場に向かうのは、喪主様、ご遺族様、ご親族様の身内のみですが、故人様のご友人なども同行することもあります。
また火葬場での炉前読経をお願いしている場合は、僧侶も同行します。

霊柩車には、位牌を持った喪主様と遺影を持つご遺族様が乗り、他のご遺族様やご親族様・僧侶は、自家用車やタクシー、マイクロバスなどで火葬場に向かうのが一般的です。
霊柩車が火葬場に向けて出発する際には、クラクションを鳴らす慣習がありますが、近年では周辺住民への配慮から実施されることも少なくなりつつあるようです。

出棺時のマナー

喪主挨拶

出棺にあたって、喪主様ご遺族様は、ご葬儀に足を運んでいただいた参列者の皆様に対し、感謝の気持ちを表したうえで式場を後にします。
また一般参列者の方々は、ご遺族様が心置きなく別れを惜しめるよう配慮しつつ、故人様の安らかな旅立ちを願って見送るのがマナーです。

喪主様側の出棺時のマナー

では、ここからは出棺時のマナーについてご紹介します。まず喪主様側のマナーからみていきましょう。
故人様に別れ花を手向けたら、先述の順番でスタッフに従い霊柩車に移動します。
棺を霊柩車に納めた後、喪主様と遺影を持ったご遺族様は、見送る参列者に向き直って整列し、挨拶をおこないます。

挨拶は以下のような内容を、簡潔なことばで述べましょう。

  • 参列のお礼
  • 故人様がお世話になった事へのお礼
  • 故人様との思い出
  • 今後の支援のお願い

■例文

本日はお忙しいところ ご参列賜りまして心よりお礼申し上げます
おかげさまをもちまして ○○の葬儀ならびに告別式が滞りなく終了いたしまして これより出棺の運びとなりました
故人が生前に賜りましたご厚情に感謝申し上げます

○○は若い時から働き者で ○○歳で天寿を全ういたしました
皆様からお別れのご挨拶を賜り 故人も喜んでいることと存じます

今後ともこれまでと同様にご指導 ご鞭撻(べんたつ)いただきますよう お願い申し上げます
本日は誠にありがとうございました

一般的には、葬儀社でも挨拶の文例を用意してくれることがほとんどですし、自信がない場合はメモを用意してもよいでしょう。
喪主様の挨拶が終わったら、参列者様に向かって一礼し、霊柩車に乗り込みます。

一般参列者様側の出棺時のマナー

棺

次に一般参列者様が、出棺の際に気をつけるべきことをご紹介します。
葬儀、告別式のあと葬儀スタッフが棺を祭壇から会場の中央に移したら、ご遺族様が最後の別れを告げます。
そののち棺が霊柩車に納められるまで、一般参列者様は会場の外で待ちますが、冬場は寒さを防ぐためにコートなどの上着を着て待機しても問題ありません。

また夏場であれば、暑さをしのぐために礼服のジャケットを脱いでも失礼にはあたりません。
ただし、会場から棺が霊柩車に運ばれる際には、冬はコートなどを脱いで手で持ち、夏はジャケットを着て棺のほうを向きます。

喪主様の挨拶が終わったら一礼をし、故人様が火葬場へ出発する際には霊柩車に向けて合掌し、深く一礼をして故人様のご冥福をお祈りします。
霊柩車が見えなくなったからといって、大きな声で話したり、笑い声を立てたりするのは失礼ですので、慎みましょう。

一般参列者様が火葬場に同行する場合のマナー

霊柩車

火葬場に同行するのは、ご遺族様やご親族様が中心となりますが、ごく親しい間柄だったご友人などが同行を希望する場合は、喪主様側にあらかじめ連絡をしておきましょう。
火葬場に向かう車の手配や、精進落としの準備などが必要なため、前日までには連絡することをおすすめします。

また、ご遺族様から火葬場への同行を依頼された際には、特段の事情がない限り引受けるのがマナーですが、どうしても都合がつかない場合は、丁寧にお断りすれば問題ありません。
火葬場に同行した場合は、ご遺族様やご親族様の後方で待機します。

火葬の流れやマナー・しきたり

火葬

火葬に同行する方が火葬場に全員到着したら、基本的に火葬場職員の指示に従って行動すれば問題ありません。
とはいえ、火葬場到着から棺を火葬炉に納めるまでの時間は限られていますので、慌てることのないよう全体の流れを把握しておきましょう。

火葬の流れ

火葬場に到着したら「納めの儀式」がおこなわれます。
納めの儀式は、故人様とご遺族様の最後のお別れの儀式で、棺を火葬炉の前に安置し焼香台が設けられます。

お棺が火葬炉に納められる前に僧侶による読経がおこなわれ、喪主様から順にご遺族様、ご親族様、ご友人様などが焼香をおこないます。
この際、棺の小窓を開けて故人様と最後のご対面ができる火葬場もあります。
納めの儀式が終わると棺は火葬炉に入り、故人様は荼毘に付されます。

火葬にかかる時間は1〜2時間ほどのため、控室でお茶や軽食を取りながら待機するのが一般的ですが、いったん式場に戻って精進落としの会食をおこなう場合もあります。
火葬場には他の喪家様もいらっしゃいますので、大声で談笑したり、携帯電話で話したりすることは控えましょう。

お骨上げのマナー・しきたり

火葬が完了すると、火葬場職員からお骨上げを案内されますので、職員の指示に従って収骨室まで移動します。
収骨室に入室後、喪主様がご遺骨の頭側に立ち、故人様と血縁関係の深い方から順に、ご遺族様・ご親族様が続いて並ぶのが一般的です。

お骨上げは、二人一組になってご遺骨を両側から箸でつかみ、1つずつ骨壺に納める流れとなりますが、地域ごとにしきたりが異なりますので、葬儀社スタッフや火葬場職員の指示に従いましょう。
お骨上げ全体の流れに大きな違いはないものの、地域ごとに以下のようなしきたりがあります。

  • 素材や色が異なる箸を1本ずつ使用する
  • 1つのご遺骨を箸で順番に受け渡しながら骨壺に納める
  • 二人一組で1つのご遺骨を両側か箸でつかんで骨壺に納める
  • 近畿地方などでは、大小2つの骨壺(本骨・胴骨)が用意されることもある

このほか、ご遺骨のすべてを骨壺に納める(全部収骨)が一般的な関東地方と、ご遺骨の一部のみを骨壺に納める(部分収骨)のが通例となっている関西地方では、骨壺の大きさが異なるといった違いがあります。

火葬にあたっての注意点

火葬をおこなうためには、火葬場職員に「火葬許可証」を提出する必要がありますので、忘れないように注意しましょう。
「死亡届」の提出や「火葬許可証」の申請など、役所での手続きを葬儀社が代行してくれる場合は、担当者に任せてしまっても問題ありません。

なお「火葬許可証」に火葬場の証印を押されて返却された書類が、ご遺骨をお墓に埋葬するために必要となる「埋葬許可証」となりますので、納骨までしっかり保管しておきましょう。

おわりに

この記事では、出棺から火葬までの流れ、ならびに出棺時と火葬場でのマナーについて、喪主様側と一般参列者様側に分けてご紹介いたしました。
全体の流れを把握し、それぞれマナーのポイントを理解しておけば、いざという際も慌てることなく、落ち着いて故人様を送り出せます。

火葬場で故人様とのご対面ができない場合もありますので、喪主様・ご遺族様にとっては、出棺までが最後のご対面となります。
また一般参列者様にとっても、出棺は火葬場へ出立される故人様との最後のお別れになりますので、心を込めてお見送りいたしましょう。