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葬儀コラム

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【知っておきたい】葬儀の流れや作法・注意点について解説|仏式・神式編

合掌

身近な方の葬儀に参列する際、故人様を偲び、ご遺族様に心を寄せる気持ちは誰しも同じですが、葬儀の流れや作法は宗旨宗派によって異なるため、不安に感じる方も少なくないでしょう。
例えば、仏式葬儀でのお焼香の方法や、神道式葬儀での玉串奉奠(たまぐしほうてん)の手順などは、宗教ごとの作法に則っておこなうべき重要な所作である一方、戸惑う方も多いポイントです。

また葬儀では、節度を持った振る舞いが求められますので、服装や持ち物、参列時の挨拶など、事前に知っておくべき事項も多岐にわたります。
しかしながら基本的なマナーや作法を心得ておけば、いざというときに慌てることなく、落ち着いた気持ちで式に臨めるでしょう。

そこで本記事では、葬儀の具体的な流れや参列時の注意点などについて、仏式と神式に分けて詳しく解説します。
それぞれの儀式の特徴や違いを分かりやすくお伝えするとともに、参列者として押さえておきたい基本的なマナーや振る舞いについても取り上げますので、ぜひ最後までご覧ください。

仏式葬儀について

僧侶

日本で最も一般的とされる仏式葬儀は、仏教の教えにもとづいた儀式が中心となり、その流れや所作には深い意味が込められています。
しかし、実際に参列する際には、儀式の進行やお焼香の作法など、どのように振る舞うべきか不安を感じる方も少なくないでしょう。

この章では、仏式葬儀の基本的な流れや参列者としての心得、そしてお焼香を行う際の具体的な作法について解説します。

仏式葬儀の流れ

はじめに、仏式葬儀の流れについて解説します。
宗派や地域により多少の違いがあるものの、一般的な仏式葬儀は以下のような流れで進みます。

  1. 受付準備
    受付担当者は、喪主様・ご遺族様とともに早めに会場入りを済ませ、葬儀社のスタッフと最後の打ち合わせをおこなったうえで受付の準備を整える。
  2. 受付
    参列者の受付は、一般的に葬儀・告別式開始時間の30分から1時間前に始まる。
    参列者は記帳を済ませたのち、お香典をお渡しする。
  3. 喪主、遺族、親族、一般参列者の入場
    葬儀、告別式が始まる10分から20分前には着席して待機する。
  4. 導師入場
    参列者が着席した後、導師を勤める僧侶が入場する
  5. 開式の辞
    司会者が開式を告げる
  6. 僧侶の読経・引導
    僧侶が読経し、故人様に「引導」を渡す。「引導」は、故人様を仏の道に導くことを指し、仏式葬儀の重要な儀式の1つとなる。
  7. 弔辞・弔電の紹介
    故人と交流の深かった方が弔辞をおこなう場合や、参列が叶わなかった方からの弔電を読み上げる際は、司会者により案内される。
    式開始の前に、弔辞を読まれる方や弔電を送っていただいた方の名前や肩書、また紹介の順番をスタッフと確認しておく。
  8. 喪主、一般参列者の焼香
    式中に僧侶から焼香を促されたら、式場ふたっふの案内に従って、喪主様・ご遺族様・ご親族様・一般参列者の順番で焼香をおこなう
  9. 導師退場
    参列者全員の焼香が終わったのち、僧侶が葬儀でのお勤めを終え退場する
  10. 喪主挨拶
    喪主様が、葬儀に参列いただいた方々にに向けて、感謝を伝えるための挨拶をおこなう
  11. 閉式の辞
    司会者が閉会を告げ、出棺準備へ移る

なお浄土真宗では、亡くなると同時に阿弥陀如来の力で浄土に生まれ変わるとの教えがあるため、葬儀では「引導」はおこなわれません。

仏式葬儀に参列する際の基本マナー

仏式葬儀に参列する際は、まず服装に注意が必要です。喪服(ブラックフォーマル)が望ましいですが、やむを得ない場合は落ち着いた色味の服装を選び、派手な装飾品は避けましょう。
またお香典については、不祝儀袋は双銀・白黒・黄白(主に西日本)などの水引がついたものを使用し、表書きは薄墨の筆記具で「御霊前」「御香典」「御香料」などと書きます。
ただし浄土真宗は、亡くなるとすぐに成仏するとの考えがあるため「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。

式場に設けられた受付で、「この度はご愁傷様です」など故人を偲ぶ言葉を添えて、香典を渡します。
しかしながら、ご葬家様が香典辞退の意向を示されている場合は、遠慮するのがマナーです。

仏式葬儀の焼香の作法

焼香台

仏式葬儀における「お焼香」は、故人様の魂を浄化し、安らかな世界へ送り出すという意味が込められた重要な儀式です。
また仏教には、仏様が香りを食べ物として受け取るとする「香食(こうじき)」の考えがあり、香の煙や香りは物質的な食事ではなく、精神的・霊的な糧として故人の魂に届くと信じられています。

一方、ご遺族様や参列者にとっては、香の香りによって心を落ち着け、自らの内面を見つめ直す時間ともなります。
お焼香の回数や手順は宗派によって少しずつ異なるものの、おおむね以下のような流れで進みます。

  1. ご遺族様に一礼して祭壇に進み、遺影に一礼する
  2. 左手に数珠を持ち、右手で抹香をつまんで額に押し頂き、香炉に落とす
  3. 遺影を仰ぎ見てから、合掌して故人様の冥福を祈る
  4. ご遺族様に一礼して席に戻る

■主な在来仏教宗派におけるお焼香の手順

宗派お焼香の手順
天台宗抹香を3回額に押し頂いてから、香炉に落とす
真言宗抹香を3回額に押し頂いてから、香炉に落とす
日蓮宗抹香を3回額に押し頂いてから、香炉に落とす(1回の場合もあり)
浄土宗抹香を3回額に押し頂いてから、香炉に落とす
浄土真宗本願寺派抹香を押し頂かずに1回香炉に落とす
浄土真宗大谷派抹香を押し頂かずに2回香炉に落とす
臨済宗抹香を1回額に押し頂いてから、香炉に落とす
曹洞宗1回目は抹香を押し頂いてから、2回目はそのまま香炉に落とす

神葬祭(しんそうさい:神式葬儀)について

神棚

神葬祭(しんそうさい:神式葬儀)は、神道の教えにもとづく葬儀の形式で、日本古来の伝統が息づく儀式です。
神葬祭では、故人様の御霊(みたま)が安らかに鎮まり、家の守護神として子孫を見守っていただくよう祈りを捧げます。

神道では、死を日常から切り離すべき穢れ(けがれ)と捉えているため、一般的に神葬祭を神社でおこなうことはなく、自宅や公営・民営の葬儀式場を会場とするのが通例となっています
また葬儀の流れや祭壇の形式も、仏式の葬儀とは大きく異なります。中でも「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」は、神道の儀式を象徴する重要な所作です。

本章では、神葬祭の一般的な流れや玉串奉奠の手順、また参列者が知っておきたい注意点について分かりやすく解説します。

神葬祭の流れ

神葬祭の流れは、地域や神社によって細かな違いがみられますが、一般的には以下のように進みます。

  1. 受付準備
    受付担当者は、喪主様・ご遺族様とともに早めに会場入りを済ませ、葬儀社のスタッフと最後の打ち合わせをおこなったうえで受付の準備を整える。
  2. 受付
    参列者の受付は、一般的に神葬祭開始時間の30分から1時間前に始まる。参列者様は記帳をし、玉串料をお渡しする
  3. 喪主、遺族、親族、一般参列者の入場
    神葬祭が始まる10分から20分前には着席して待機する
  4. 神職参進(しんしょくさんしん)
    神葬祭を司る神職「斎主」が入場する
  5. 修祓の儀(しゅばつのぎ・しゅうばつのぎ)
    斎主がお祓いをする
  6. 献饌の儀(けんせんのぎ)
    斎主や副斎主がお神酒と水を神前にお供えする
  7. 祭詞奉上(さいしそうじょう)
    斎主が祭詞を奏上し、故人様の御霊が家の守護神となることを祈る
  8. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
    仏式の焼香にあたる、玉串(榊)をお供えする
  9. 撤饌の儀(てっせんのぎ):斎主がお神酒と水の器を下げる
  10. 斎主一拝(さいしゅいっぱい):参列者様は起立し、斎主とともに深く一礼する
  11. 神職退下(しんしょくたいげ):神職の退場となる
  12. 弔電奉読(ちょうでんほうどく):弔電がある場合は、司会者により弔電が紹介されるお花入れの儀:棺に花を飾って、故人様とのお別れをする
  13. 喪主挨拶:喪主様が参列者様に挨拶をする
  14. 出棺:棺が火葬場へ向かう

神葬祭に参列する際の注意点

仏式の葬儀では数珠を使用しますが、神式葬儀では使用しません。
また「冥福」「供養」などは仏教用語となりますので、神式葬儀では使わないように気をつけましょう。
「御平安をお祈り申し上げます」「お悔み申し上げます」「ご愁傷さまです」などが一般的です。
不祝儀袋は水引が双銀のものを使用し、表書きは「御玉串料」「御霊前」などと書きます。

拝礼の方法は、神社に参拝するときと同様で「二礼、二拍手、一礼」となりますが、拍手は音を立てずにおこなう「しのび手」にします。

神葬祭における玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法

玉串

「玉串」は榊の木の枝で、紙垂(しで)といわれる白い紙を付けたものです。
古来より日本では、榊をはじめとした葉先のとがった植物に、神様の力が宿るとされており、神棚にもお供えされてきました。

また、玉串奉奠(たまぐしほうてん)は神式葬儀以外にも、地鎮祭やお宮参りなどの神道儀式でおこなわれます。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)の一般的な作法は以下のとおりです。

  1. ご遺族様に一礼したのち、神職の前に進む
  2. 神職から玉串を両手で受け取って(根元を右手、葉先を左手で持つ)
  3. 時計回りに回転させて、根元が自分のほうに向くようにする
  4. 玉串の根元を左手、葉先を右手で持って時計回りに回転させ、根元が祭壇側になるように置く
  5. 二礼、二拍手(音を立てずにしのび手)一礼する
  6. 祭壇から下がり、ご遺族様と神職に一礼して席に戻る

玉串奉奠をはじめとする神事の作法には、地域によって細かな違いがありますので、係員の案内に従って行動しましょう。

まとめ

この記事では、仏式葬儀と神葬祭における葬儀の流れや作法、参列時のマナーについて詳しく解説いたしました。
仏式葬儀ではお焼香を通じて故人様への祈りを捧げ、神葬祭では玉串奉奠を通じて感謝と鎮魂の意を表します。

これらの作法やマナーを正しく理解し実践することで、故人様への敬意を形として示すことができます。
ただし、いずれの場合も、故人様やご遺族様に対する真心のこもった想いである点は、心に留めておきたいところです。

葬送習慣や宗教儀式の作法は、地域によって細かな違いがあるため、喪主様・ご遺族様や式場係員の案内に従って行動しましょう。
本記事でお伝えした内容が、葬儀に臨む際の参考となれば幸いです。