密葬(みっそう)とは、後日あらためて本葬やお別れの会を行うことを前提に、訃報を広く公表せず、近親者だけで先に執り行う葬儀のことです。
「ひっそり行う葬儀」という点で家族葬と混同されがちですが、本葬を予定するかどうかが両者の分かれ目です。この記事では、密葬と家族葬の違い、訃報を伏せるための実務、本葬・お別れの会までの流れを解説します。
まず、密葬と家族葬の違いを比較表で確認しましょう。
| 比較項目 | 密葬 | 家族葬 |
|---|---|---|
| 後日の本葬・お別れの会 | 前提とする | 予定しない |
| 訃報の公表 | 本葬まで伏せるのが原則 | 事前または事後に知らせる |
| 参列 | ごく近親者のみ | 案内した近親者・親しい方 |
| 主な利用場面 | 社葬・団体葬の前段、著名人、年末年始などで本葬を後日に | 静かに見送りたい一般のご家庭 |
密葬と家族葬の違い

両者の分かれ目は、後日の本葬(お別れの会)を予定するかどうかの一点です。使われ方の典型例で見てみましょう。
たとえば会社の創業者が亡くなった場合、まずご遺族様だけで密葬(火葬まで)を済ませ、1か月ほど後に会社主催の社葬を営む、というのが典型的な密葬の使われ方です。参列者の多い葬儀は準備に時間がかかります。
そこで、火葬(密葬)と、お別れの場(本葬)を切り分けることで、双方を落ち着いて行えるのが密葬の合理性です。年末年始やお盆など、参列者が集まりにくい時期の逝去にも使われます。
近年は、単に規模の小さい葬儀を「密葬」と呼ぶ誤用も見られます。ただ、本来の密葬は本葬とセットの言葉です。本葬を開かないなら家族葬、と切り分けて考えると、訃報の出し方や香典の扱いで迷いません。呼び方に迷ったら、葬儀社に「本葬を開く予定があるか」を伝えれば、適切な形を提案してもらえます。
以下の記事では家族葬の流れとメリット・デメリットについて、詳しく解説しています。
密葬の流れ|火葬までを静かに行う

密葬自体の流れは、通夜・葬儀を行う場合は家族葬と、行わない場合は直葬とほぼ同じです。決定的に異なるのは情報管理です。次の順で進めます。
- 知らせる範囲を最小限に確定:参列する近親者と、業務上どうしても必要な関係者(会社の窓口担当など)に限定します
- 口止めの依頼を明確に:「本葬を後日ご案内しますので、それまで他言なさらないよう」と、理由と期限をセットで伝えます
- 弔問・供花を受けない体制:式場名を広く伝えない、供花の受付を閉じるなど、葬儀社と共有します
- 火葬・収骨まで実施:ここまでが密葬です
情報が漏れて式場に弔問客が来てしまうのが、密葬で最も多い失敗です。「誰に・何を・いつまで伏せるか」を家族と葬儀社で書き出して共有することが、成否を分けます。式場側にも、弔問客が来た場合の対応方針をあらかじめ伝えておくと安心です。
会社が関わる場合は、社内のどの範囲まで先に知らせるかを、会社の担当者と事前にすり合わせておきます。連絡の窓口を一本化しておくと、問い合わせが分散せず、情報も漏れにくくなります。ここを詰めておくことが、当日の混乱を防ぐ最大のポイントです。
以下の記事では式を行わない直葬(火葬式)との違いについて、詳しく解説しています。
本葬・お別れの会の準備

本葬(お別れの会・偲ぶ会)は、四十九日前後までに開くのが一つの目安です。準備の要点を押さえましょう。
- 形式を決める:宗教儀礼を伴う本葬か、無宗教のお別れの会か。近年は献花・映像・献奏を中心にしたお別れの会が主流になりつつあります
- 会場と会費:ホテルは焼香(火気)不可の場合が多く、献花形式になります。会費制にするか主催者負担かも早めに決めます
- 案内状:逝去の報告、密葬を済ませた旨、本葬の日時・会場・会費や香典の扱いを明記します
- 遺骨・遺影:本葬に遺骨を安置するか、遺影と花で構成するかを決めます
お別れの会は参列者が多くなりやすいため、会場の予約は早めに動きます。案内状の発送から当日まで、二〜三週間の準備期間をみておくと、落ち着いて進められます。会費や香典の扱いは、案内状に明記して迷いを残さないようにしましょう。
社葬として行う場合は、費用の会社負担範囲や運営の役割分担など、個人葬とは別の論点が加わります。税務の扱いは、税理士など専門家への確認が必要です。
密葬にすべきか迷ったら

判断の軸は、後日、広くお別れの場を設ける必要があるかの一点です。ここがはっきりすると、密葬か家族葬かを選べます。
会社・団体・ファンなど、お別れを望む人が多数見込まれるなら、密葬+本葬が適します。その必要がなく、単に静かに送りたいだけなら、密葬ではなく家族葬として設計し、事後の挨拶状で報告するのが実務的です。
注意したいのは、「密葬にしたが本葬を開かずじまい」になるケースです。結果として訃報を伏せたまま終わり、関係者の不信を招くことがあります。本葬を開く見込みが低いなら、最初から家族葬と位置づけるほうが誠実です。
迷う場合は、まず火葬を家族葬の形で済ませ、後日の会を開くかどうかは落ち着いてから判断する、という進め方もできます。無理に「密葬」と決めきらなくても構いません。大切なのは、伏せた相手へ後日きちんと報告する段取りを、最初に用意しておくことです。
よくある質問

密葬について、よく寄せられる質問をまとめました。
密葬だけで終わらせてもよい?
可能ですが、その場合は実質的に家族葬です。訃報を伏せた関係者へは、四十九日頃までに挨拶状で丁寧に報告してください。
密葬の香典はどうなる?
密葬では辞退し、本葬・お別れの会で香典または会費を受けるのが一般的です。二重にいただかない設計にします。会費制のお別れの会にすると、参列者も金額に迷わず、受付の管理も簡素になります。
密葬が周囲に漏れてしまったら?
弔問の申し出には「後日お別れの会を予定しておりますので、その際にぜひ」と本葬へ誘導すれば、角が立ちません。本葬の日程が決まっていれば、その場で伝えると相手も予定を立てやすくなります。
本葬まで遺骨はどうしておく?
自宅の後飾り祭壇で安置するのが一般的です。納骨は本葬後、四十九日から一周忌を目安に行います。遺影は、生前のお人柄が伝わる一枚を選んでおくと、後日のお別れの会でも使えて準備が楽になります。
以下の記事では後飾り祭壇と本位牌への切り替えについて、詳しく解説しています。
密葬と直葬は何が違う?
直葬は「式を行わない形式」の名前、密葬は「本葬前提で近親者のみで行う」という位置づけの名前です。密葬を直葬形式で行うこともあります。
板橋区・荒川区の密葬・お別れの会のご相談はファミそう(自由なお葬式)へ

密葬は、情報管理と本葬の設計をセットで考えることが成功のカギです。誰に何をいつまで伏せるか、本葬をどう開くかまで、経験のある葬儀社と一緒に組み立てると安心です。
ファミそう(自由なお葬式)は、板橋区の「自由なお葬式 大山駅前」と荒川区の「自由なお葬式 町屋」の直営会館を運営する家族葬専門の葬儀社です。板橋区(板橋・大谷口・常盤台・成増ほか)と隣接する豊島区・練馬区・北区に対応しております。
荒川区(町屋・西日暮里・南千住ほか)では、台東区・文京区・足立区など周辺エリアの葬儀を承ります。密葬の情報管理から後日のお別れの会・社葬まで、一貫した設計をお手伝いします。ご相談は24時間365日受付。まずはお気軽にお問い合わせください。
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