枕経(まくらぎょう)は、故人様が亡くなられた直後に行う仏教儀式であり、通夜や葬儀とは異なり、ごく限られた身内だけで執り行われる静かなお別れの時間です。
枕経に同席される参加者には、儀式の厳かさや遺族の心情に寄り添った「目立たず・乱さず・手を煩わせない」控えめな立ち居振る舞いが求められます。
また、数珠の持参や香典の扱い、服装マナーなど、基本的な作法を押さえておくことで、ご遺族様のご負担に配慮した自然で丁寧な対応ができるようになります。
この記事では、枕経に参列する際の流れとマナー・注意点についてご紹介します。
【板橋区・荒川区】枕経とは?意味と流れを解説

枕経とは、故人様が亡くなられた直後、または臨終の際に、枕元でお寺様が読経を行う「仏教の儀式」です。
この儀式は、故人様が極楽浄土へ迷わず旅立てるよう祈ることを目的としており、同時にご遺族様が“死”を受け入れ、心を落ち着ける最初の区切りの時間にもなります。
枕経の所要時間は20〜40分程度で、多くの場合30分前後です。読経が中心ですが、宗派によっては戒名(法名)の授与や懺悔、仏・法・僧への帰依を表す作法などが含まれることもあります。
枕経の全体の流れと知っておくべきその準備
枕経の流れは、次のような順序で進んでいきます。
(1)故人様をご自宅や安置施設に安置し、枕飾りを準備する
(2)お寺様が、枕元または仏前に着座し、読経を行う
(3)戒名(法名)の授与や仏門への帰依を表す儀礼を行う
(4)喪主から順にご遺族様が焼香し、静かに合掌する
(5)読経終了後、喪主が代表でお礼を述べ、お布施を渡す
上記のように枕経は落ち着いた雰囲気の中で静かに進行し、お寺様にお布施をお渡ししたあとは、通夜や納棺の準備へと移っていくのが一般的です。
(1)故人様をご自宅や安置施設に安置し、枕飾りを準備する
故人様をご自宅や安置施設に安置したあと、枕元には「枕飾り」と呼ばれる小さな供養台を用意します。
枕飾りの上には、香炉・ろうそく・お花・一膳飯・水などを白布の上に整えて配置し、静かに祈りの場を整えます。
枕飾りは、通夜や葬儀の際に使われる本格的な祭壇ほど大がかりなものは必要ありませんが、最低限の供養具と白布が揃っていることが大切です。
(2)お寺様が、枕元または仏前に着座し、読経を行う
お寺様が到着されたら、枕元や仏壇・本尊の前に着座し、読経が始まります。
読経中は、ご遺族様は静かに手を合わせながら合掌し、故人様を想いながら儀式の進行を見守ります。
儀式の進行はお寺様や葬儀社が主導して案内・進行してくれるため、ご遺族様が作法や流れを細かく把握して対応する必要はありません。
(3)戒名(法名)の授与や仏門への帰依を表す儀礼を行う
枕経の最中または前後に、宗派やお寺様の方針により「戒名(法名)」が授けられる場合があります。
これは故人様が仏門に帰依した証とされる大切な儀式であり、その過程として生前の行いを悔い改める意味を持つ懺悔文や、仏さまの教えに従うことを誓う帰依文が読み上げられることもあります。
ただし、前述したように戒名授与が枕経の中で必ず行われるわけではなく、すべての宗派で共通して実施されるものではありません。
宗派や寺院によっては、戒名の授与やその説明を通夜や葬儀の場で行う場合もあります。
そのため、事前に戒名授与の時期や進め方についてお寺様と「いつ・どのように戒名を授かるのか」を確認しておくことで、当日の進行がスムーズになり、戸惑いを防ぐことができます。
(4)喪主から順にご遺族様が焼香し、静かに合掌する
読経の途中または終盤に、焼香が始まります。
まずは喪主様が焼香を行い、続いてご遺族様やご親族が順番に焼香していきます。
焼香の作法は宗派によって多少異なりますが、焼香を行う方が静かに立ち、香をくべて合掌するという流れが一般的です。
作法や順番がわからず不安な場合でも、葬儀社のスタッフやお寺様がその場で丁寧にやり方を案内するため、失礼にあたるのではといった心配は必要ありません。
(5)読経終了後、喪主が代表でお礼を述べ、お布施を渡す
読経が終了すると、お寺様が軽く会釈をされたり、読経用の木魚や経本を閉じるなどの静かな合図で、枕経の儀式が締めくくられます。
喪主様が代表して感謝の言葉をお伝えし、お寺様へお布施・御車代(交通費)・お膳料(お食事代)などをお渡しします。
ただし、地域やお寺の慣習によっては、こうしたお礼を通夜や葬儀後にまとめてお渡しすることもあります。
その後は、葬儀社との打ち合わせや納棺、通夜の準備へと自然に流れが移行し、お見送りの段取りが本格的に進んでいきます。
【板橋区・荒川区】知っておくべき参列者の枕経の流れ

枕経は通夜や葬儀と比べて参列経験のある方が少なく、当日になって「どのように振る舞えばよいのでしょうか」と参列者から尋ねられることがあります。
そうした場合には、以下の流れを簡潔にお伝えいただくと、参列者も安心して臨むことができます。
(1)到着後はご遺族様にお悔やみを伝えてから席へ移動する
(2)読経中は着席または起立で静かに合掌する
(3)焼香は喪主に続いて順に行い静かに合掌する
(4)簡潔にご遺族様へあいさつをして静かに退出する
(1)到着後はご遺族様にお悔やみを伝えてから席へ移動する
枕経の会場(自宅や安置施設)に到着したら、参列者は喪主または近くにいるご遺族様に対して軽く一礼し、「このたびはご愁傷様です」など一言お悔やみを伝えます。
その後、案内された場所に静かに移動して着席し、お寺様の到着と読経の開始まで静かに待機します。
私語や不必要な動きは控え、スマートフォンは電源を切っておくと安心です。
(2)読経中は着席または起立で静かに合掌する
お寺様の読経が始まったら、参列者は起立または着席の姿勢で、故人様に対して静かに合掌し、お経に耳を傾けながら焼香の順番が来るまでの時間を静かに待ちます。
お寺様からの焼香の合図があるまでは、私語や身じろぎを控え、姿勢を正して静かに待機してください。
この時間は、ただ「待つ」のではなく、故人様を偲び、心を整えるひとときとして大切に扱われています。
(3)焼香は喪主に続いて順に行い静かに合掌する
焼香のタイミングは、基本的にお寺様の落ち着いた所作や声かけといった合図で始まります。
参列者は喪主に続いて近い順番で静かに立ち、香炉に香をくべて、故人様に向かって静かに合掌します。
焼香の作法は宗派によって多少異なりますが、迷った場合は前の方の動きを参考にするか、葬儀社やスタッフにその場で確認してください。
(4)簡潔にご遺族様へあいさつをして静かに退出する
読経が終わり、お寺様が退席したあとは、枕経があくまで内輪で行われる簡素な儀式であるため、参列者も長居をせず、速やかに退出の流れへ進みます。
退出の直前や、ご遺族様が見送ってくださるタイミングで「本日はお世話になりました」「お疲れのところ失礼いたします」など、簡潔で落ち着いた言葉を一言添えるようにしましょう。
【板橋区・荒川区】枕経の際に参列者が注意すべきこと

枕経は通夜や葬儀よりも身内の私的な場であり、故人様との最初の別れを静かに過ごす大切な時間です。
喪主やご遺族様は進行に気を配りながらも、ご自身の心身の疲労を意識し、無理のない範囲で場を整えることが大切です。また参列者は、故人様への敬意とご遺族様への配慮を第一に、目立たず・乱さず・手を煩わせないよう、静かに行動することが求められます。
以下に、喪主・参列者それぞれが押さえておきたい注意点をまとめました。
(1)服装は黒・紺・グレーの落ち着いた色を選ぶ
(2)数珠は持参し、香典は通夜・葬儀で渡す
(3)読経中は私語・出入りを控えて静粛に過ごす
(4)終了後は速やかに解散・退出する
この章では、枕経に臨む喪主・ご遺族様・参列者の皆様が、失礼なく過ごすために押さえておきたいマナーと注意点について、具体的に解説していきます。
(1)服装は黒・紺・グレーの落ち着いた色を選ぶ
枕経はごく親しい身内で行う仏教儀式のため、通夜や葬儀のような正式な弔問の場とは異なり、形式よりも場の空気に溶け込むことが大切とされます。そのため喪服が必須とは限りませんが、黒・紺・グレーなどの落ち着いた平服が推奨されます。
ビジネス用やフォーマル寄りのスーツ、無地のワンピースなど、装飾が控えめで清潔感のある服装であれば問題ありません。
ただし、光沢のあるサテンやシルク調の派手な素材や、極端に明るい色味・大柄の模様、目立つアクセサリー類は避けるようにしましょう。
喪主やご遺族様も参列者も、あくまで「目立たない」「厳かな場にふさわしい」ことを基準に選ぶのがポイントです。
(2)数珠は持参し、香典は通夜・葬儀で渡す
枕経は「弔問の儀式」ではなく、あくまで読経中心の宗教行事とされているため、基本的に香典を持参する必要はありません。
香典を渡す場合は、弔問の意味合いが強い通夜や葬儀の場で正式に渡すことが通例とされています。
ただし、短時間の参列であっても、数珠は仏教の場において故人様への礼儀を示す大切な道具ですので、宗派にかかわらず必ず持参しましょう。
数珠を忘れた場合は、葬儀社に貸し出しが可能か相談するか、静かに手を合わせて合掌のみで礼を示すことをおすすめします。喪主やご遺族様は、参列者から数珠について相談された場合に備えて、葬儀社へ事前に確認しておくと安心です。
(3)読経中は私語・出入りを控えて静粛に過ごす
読経中は、スマートフォンの電源を切るかマナーモードに設定し、通知音や着信音が鳴らないよう徹底してください。
もちろん私語を交わしたり、姿勢を崩すような不必要な動き・頻繁な出入りは、故人様やお寺様への無礼にあたるため厳禁です。
枕経は通夜や葬儀以上に静粛さが求められる「最初の別れの儀式」ですので、喪主・ご遺族様・参列者を問わず、一人ひとりが場の雰囲気に配慮して過ごしましょう。
(4)終了後は速やかに解散・退出する
枕経は急な訃報直後に行われることが多く、喪主やご遺族様は突然の別れに心身ともに疲弊しています。参列者は言葉選びや所作にも細やかな配慮を心がけましょう。
到着時や終了時のあいさつは「このたびはご愁傷様です」「本日はありがとうございました」など、短く落ち着いた一言で十分です。
また、読経後はお寺様の退席を見届けたうえで、玄関先などで軽くお辞儀をし、長居せずに静かに退出しましょう。
喪主やご遺族様も、参列者を長時間引き留める必要はありません。「本日はありがとうございました」と一言添えて、速やかに解散する流れで問題ありません。
枕経の基本と参列マナーを押さえ、心を込めた最初の別れを

枕経は、故人様が旅立たれる直後に行われる、仏教における「最初の別れの儀式」です。
その流れや意味を理解し、静粛・簡潔・控えめな態度を守り、ご遺族様の心情や疲労感に配慮することが故人様への敬意の表れでもあり、安心して見送るための大切な心構えでもあります。
この記事の中でご紹介したように、服装・所作・言葉遣いに注意し、宗派や地域のしきたりに沿って行動することで真心を込めたお別れができるようになります。
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