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葬儀コラム

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東京23区の火葬料金と助成金27,000円|板橋区・荒川区の申請手順

財布から紙幣を出す女性

「火葬の料金が値上がりしたと聞いたけれど、結局いくらかかるのだろう」
「助成金がもらえるらしいけれど、自分は対象になるのだろうか」

2026年4月に東京23区の火葬をめぐる制度が大きく変わりました。
料金の改定と、区民葬儀における火葬の取扱いの変更、そして新しい助成金の創設が同じ時期に重なったため、情報が入り組んでわかりにくくなっています。

この記事では、何がどう変わったのかを順に整理したうえで、火葬料金の目安、助成金2万7千円を受け取れる条件と申請の手順を解説します。

あわせて、板橋区と荒川区で扱いが分かれる点、つまり利用する火葬場によって使える制度が変わることについても詳しくお伝えします。
ご葬儀を控えて費用の全体像を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

東京23区の火葬事情|2026年4月に変わった3つのこと

変化

今回の変更は、料金・制度・給付という性質の異なる3つの出来事が、いずれも2026年4月1日に重なって始まりました。そのため「値上がりしたのか、安くなったのか」がわかりにくくなっています。
まずは3つを切り分けて確認していきましょう。

変更点(1)東京博善6斎場の火葬料金が87,000円になった

東京23区内には火葬場が9か所ありますが、そのうち6か所を運営し、23区内の火葬のおよそ7割を担っているのが東京博善株式会社です。
町屋斎場、落合斎場、代々幡斎場、四ツ木斎場、桐ヶ谷斎場、堀ノ内斎場がこれにあたります。

この6斎場における普通炉での火葬料金が、2026年4月1日から87,000円に改定されました。それまでの9万円より3千円安くなった計算です。

変更点(2)東京博善6斎場では区民葬儀の火葬券が使えなくなった

区民葬儀とは、区と葬儀業者の団体が協定を結び、あらかじめ決められた料金で祭壇や霊柩車、火葬などを利用できる制度です。
利用したい方は、区の窓口などで「区民葬儀券」を受け取り、取扱指定店となっている葬儀社に渡してお申し込みいただきます。

この区民葬儀券のうち火葬券を使うと、東京博善の斎場でも大人59,600円で火葬ができました。
しかし東京博善は、2026年3月31日の火葬分をもって区民葬儀の取扱いを終了しました。そのため4月1日以降、上記の6斎場で火葬を執り行った場合、最低でも87,000円がかかることとなります。

ここで大切なのは、なくなったのは東京博善6斎場での火葬券の取扱いだけであるという点です。区民葬儀という制度そのものは続いていますし、祭壇や霊柩車、遺骨収納容器の協定料金も従来どおり利用できます。

変更点(3)特別区共通の助成金制度が始まった

ここまで解説した東京博善6斎場の変化を受けて、東京23区の区長で構成される特別区長会は、2026年1月16日に新しい助成制度の内容を公表しました。
2026年4月1日以降に区民葬儀を利用した方の火葬を対象に、23区共通の助成金を支給するというものです。

要するに、東京博善の斎場については「協定料金であらかじめ安く利用する」しくみから、「いったん正規料金をお支払いいただき、あとから助成金で負担を軽くする」しくみへ切り替わったとお考えいただくとわかりやすいと思います。

火葬料金は火葬場によって変わる

お金と電卓

同じ「板橋区・荒川区でのご葬儀」でも、どの火葬場を使うかで料金の考え方が変わります。ここが今回の変更点のなかで、最も間違えやすいところです。
荒川区でよく使われる火葬場と、板橋区でよく使われる火葬場は、それぞれ別の運営会社によるもので、適用されるしくみも異なります。順に見ていきましょう。

町屋斎場など東京博善6斎場は87,000円

改定後の東京博善各斎場における大人の標準的な火葬料金は、87,000円です。
荒川区で多く利用される町屋斎場も、この料金体系の対象になります。満6歳以下のお子さまの場合は50,000円です。

なお、火葬料金は使用する炉の区分によって異なり、より設備の整った炉を選ばれる場合は料金が上がります。
今後も改定される可能性がありますので、実際のご利用にあたっては施設の公式サイトで最新の料金をご確認ください。

板橋区内の戸田葬祭場は区民葬儀の火葬券が使える

板橋区舟渡にある戸田葬祭場は、東京博善とは運営会社が異なる別の民営火葬場です。
そのため今回の改定の対象にはならず、区民葬儀の火葬券が引き続き利用できます。板橋区も公式サイトで、「戸田葬祭場は区民葬儀火葬券が使えるため助成金の対象外である」と案内しています。

つまり戸田葬祭場をご利用の場合は、助成金の申請こそできないものの、区民葬儀券を使えば大人59,600円で火葬ができます。
「助成金の対象外」と聞くと不利に思われるかもしれませんが、実際の負担額はほぼ変わりません。この点は後ほど比較表でご確認いただけます。

助成金27,000円を受け取れるのはどのような場合か

悩むシニア

特別区長会が新設した助成金の概要は、次のとおりです。

項目内容
助成額大人27,000円/小人(満6歳以下)15,000円
対象となる火葬2026年(令和8年)4月1日以降に行った火葬
対象となる火葬場町屋斎場、落合斎場、代々幡斎場、四ツ木斎場、桐ヶ谷斎場、堀ノ内斎場
申請期限火葬を執り行った日の翌日から2年間
申請先お亡くなりになった方の住民登録があった区
対象外となる例戸田葬祭場など、上記6斎場以外での火葬

ただし、この表にあてはまれば必ず助成金を受け取れる、というものではありません。
実際には次の3つの条件をすべて満たしている必要があり、なかでも1つ目は見落とされやすい条件です。ご自身の場合はどうかを思い浮かべながら、順にご確認ください。

対象条件(1)区民葬儀の祭壇または霊柩車を利用していること

この助成金は「区民葬儀を利用した方」を対象とする制度です。
具体的には、区民葬儀のメニューのなかから、祭壇(棺のみのご利用も含みます)または霊柩車のうち、いずれか1つ以上を利用していることが求められます。

火葬料金だけをお支払いになり、区民葬儀のメニューをまったく利用しなかった場合は、助成金の対象になりません。
つまり、この助成金を受け取るには、区民葬儀を取り扱っている葬儀社(区民葬儀取扱指定店)にご依頼いただくことが前提になります。区の窓口で区民葬儀券を受け取り、その葬儀社に申し込むという流れです。

メニューの種類や料金は区の公式ページで公開されていますので、詳細はそちらをご確認ください。
板橋区は「区民葬儀|板橋区公式ホームページ」、荒川区は「区民葬儀|荒川区公式サイト」でご覧いただけます。
祭壇は段数や仕様によっていくつかの区分に分かれており、祭壇を使わず棺のみを利用する場合の料金も定められています。

ご希望の内容で助成金の対象になるかどうかは、お見積もりの段階で葬儀社にご確認いただくと確実です。

対象条件(2)対象の6斎場で最も低い火葬料金を支払っていること

対象となる6斎場を利用し、最も費用負担の少ない普通炉の火葬料金(大人87,000円)をお支払いいただいたことが条件です。より上位の炉をお選びになった場合など、これを超える料金でご利用になった場合は対象外となります。

対象条件(3)お亡くなりになった方の住民登録が23区内にあること

お亡くなりになった日に、故人様の住民登録が23区内にあったことが条件です。
この場合、住民登録のあった区が申請先になります。

なお、故人様の住民登録が23区外であっても、火葬費用を負担された方(喪主・施主など)が火葬を執り行った日に23区内に住民登録をお持ちであれば、対象になります。
このときは、費用を負担された方がお住まいの区が申請先です。

板橋区・荒川区での申請手順と必要書類

書類にサインを行う男性

ここからは、実際のお手続きについてご説明します。
助成金は火葬を終えたあとにご遺族様が申請する後払いのしくみで、申請先や必要な書類は、あとでご紹介する葬祭費とは別になります。

まず助成金の手順を確認し、続けて葬祭費との関係を整理していきます。

申請は火葬のあとに、区の窓口へ行う

申請の流れは、おおむね次のようになります。

手順(1)ご葬儀のあとに、書類をそろえて保管

区民葬儀を利用してご葬儀と火葬を執り行ったら、費用の領収書を保管します。
このとき、葬儀社が発行する領収書に「利用した区民葬儀の種別」が記載されているかをご確認ください。

記載がない場合は、請求書や立替明細など、区民葬儀の利用内容がわかる書類もあわせて必要になります。

手順(2)区の窓口へ申請書と必要書類を提出

お住まいの区の案内に沿って、申請書と必要書類を提出します。代表的なものは次のとおりです。

必要書類入手先・備考
区の助成金交付申請書区の窓口または公式ページで入手できます
葬儀社が発行した領収書区民葬儀の種別がわかるものをご用意ください
火葬場が発行した明細書および領収書火葬料金をお支払いになった際に受け取ります
申請される方の本人確認書類顔写真付きは1点、顔写真なしは2点が必要です
振込先口座がわかるもの通帳やキャッシュカードをご用意ください

ご遺族様以外の方が代わりに申請される場合や、代理でお受け取りになる場合は、委任状などが追加で必要になります。
また、この助成金は23区で共通の制度のため、複数の区に重ねて申請することはできません。

手順(3)審査を経て、指定の口座に振り込まれる

区の審査を経たのち、申請書に記載された口座へ助成金が振り込まれます。

様式や提出窓口は区によって異なりますので、板橋区または荒川区の案内に従ってお手続きください。
申請期限は2年間と長めですが、領収書の保管が前提になりますので、ご葬儀を終えられて落ち着かれたころに手続きを進められることをおすすめします。

助成金とは別に、葬祭費7万円も申請できる

この助成金とは別の制度として、故人様が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入されていた場合には、葬祭を行った方に「葬祭費」が支給されます。
板橋区・荒川区の葬祭費はいずれも7万円で、申請期限は葬祭を行った日の翌日から2年です。

助成金と葬祭費はまったく別の制度ですので、どちらの条件も満たす場合はそれぞれ申請できます。
また葬祭費は、利用した火葬場を問わず申請できます。

なお、火葬のみでお見送りをされた場合の葬祭費の取扱いは、「葬祭」をどう解釈するかによって区ごとに考え方が分かれる場合があります。
ご心配な場合は、事前に区の国保年金課などにご確認ください。

給付金の全体像は、関連記事「【板橋区・荒川区のご葬儀】葬儀の給付金の種類と申請の流れについて」で詳しく解説しています。

実質負担の目安を確認(町屋斎場と戸田葬祭場の比較)

天秤

ここでいう「実質負担」とは、いったんお支払いになった金額から、あとで受け取れる助成金を差し引いた、最終的な手出しの金額のことです。
火葬料金だけに注目した場合、実質的なご負担は次のようになります。

利用する火葬場区分火葬料金助成・割引実質負担の目安
町屋斎場など東京博善6斎場大人87,000円助成金27,000円
(申請が必要)
60,000円
町屋斎場など東京博善6斎場小人(満6歳以下)50,000円助成金15,000円
(申請が必要)
35,000円
戸田葬祭場
(区民葬儀券を利用)
大人59,600円助成金の対象外59,600円
戸田葬祭場
(区民葬儀券を利用)
小人(満6歳以下)34,500円助成金の対象外34,500円

このように、どちらを選ばれてもご負担はほぼ同じ水準になるように設計されています。
違いは、町屋斎場などではいったん87,000円をお支払いいただき、あとから申請して27,000円を受け取るという手順が加わる点です。

申請を忘れてしまうと、その27,000円は受け取れないままになりますので、ここが実務上いちばん大切なところになります。

さらに、故人様が国民健康保険などに加入されていて葬祭費7万円の支給対象であれば、火葬料金の実質負担分を上回る給付を受けられる計算になります。

ただし、これはあくまで火葬料金だけを取り出した参考例です。
ご葬儀の総額は、火葬料金のほかに葬儀一式の費用、ご安置の日数分の費用、飲食や返礼品、宗教者へのお布施などで構成されるのが一般的です。

費用の負担が難しいときに使える制度

生活保護を受給されているなど、葬儀費用のご負担が難しい場合には、葬祭扶助という別の制度があります。
条件を満たすと、火葬を中心とした最小限のお見送りを原則として自己負担なく行えるものです。

ただしこの制度は、原則として火葬より前に申請する必要があります。
火葬を終えてからでは受けられませんので、費用の見通しが立たないと感じられた時点で、早めに福祉の担当窓口か葬儀社にご相談ください。

詳しくは関連記事「【板橋区・荒川区のご葬儀】福祉葬(生活保護葬)とは?条件・費用・流れ・注意点を解説」で解説しています。

なお、生活保護を受給されている方は国民健康保険の被保険者から外れているのが一般的で、葬祭扶助と葬祭費を重ねて受け取ることはできません。

火葬料金・区民葬儀に関するよくあるご質問

Q&A

ここからは、火葬料金や区民葬儀に関してよくいただくご質問をまとめました。

区民葬儀という制度そのものがなくなったのですか。

いいえ、制度は続いています。終了したのは、東京博善が運営する6斎場における火葬券の取扱いのみです。
祭壇や霊柩車、遺骨収納容器の協定料金は従来どおりご利用いただけますし、板橋区内の戸田葬祭場では火葬券もそのまま使えます。
詳しい内容はお住まいの区の案内でご確認ください。

戸田葬祭場を使う場合、何も補助はないのでしょうか。

助成金の対象にはなりませんが、区民葬儀の火葬券が使えますので、大人59,600円で火葬ができます。助成金を受けた場合の実質負担6万円とほぼ同じ水準です。
加えて、葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が対象で、板橋区・荒川区はいずれも7万円)は火葬場を問わず申請できます。

火葬料金を支払えば、自動的に助成金がもらえるのですか。

いいえ、区民葬儀を利用していることが条件になります。
区民葬儀のメニューから祭壇(棺のみのご利用も含みます)または霊柩車を1つ以上利用し、対象の6斎場で87,000円をお支払いになった場合が対象です。

区民葬儀を取り扱っている葬儀社にご依頼いただく必要がありますので、お申し込みの前にご確認ください。
なお、助成金を受け取るためには、お住まいの区の案内に沿って、申請書と必要書類を提出する必要があります。

2026年3月以前に火葬を行った場合は対象になりますか。

助成金の対象は2026年4月1日以降の火葬です。
それ以前の火葬については従前の制度の扱いとなりますので、区の窓口にご確認ください。

まとめ|火葬場の選択と申請の有無で、実質負担は変わる

2026年4月からの変化を一言でまとめると、「東京博善の斎場では協定料金のしくみが終わり、あとから助成金で負担を軽くする形に変わった」ということになります。

町屋斎場など対象の6斎場をご利用の場合は、区民葬儀のメニューを使ったうえで申請すれば助成金27,000円を受け取れます。
板橋区内の戸田葬祭場では、これまでどおり区民葬儀の火葬券が使えます。

どちらを選ばれても実質的なご負担はほぼ同じですが、前者は申請という一手間が必要になる点が違いです。

どの火葬場を使う想定か、そしてどの給付や割引の対象になり得るか。
この2点をお見積もりの段階で確かめておくことが、費用の見通しを立てる近道になります。ご不安なことがあれば、お一人で抱え込まずにご相談ください。