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葬儀コラム

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【板橋区・荒川区のご葬儀】グリーフケアとは?大切な人を亡くしたときに知っておきたい心のケア

griefcare

人は、愛する人を失うと「深い悲しみや絶望感」に襲われます。この「深い悲しみや絶望感」は「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれます。
特に、子どもを亡くした家族や、突然の事故で大切な人を失った場合、その悲しみは大きく、「希望が持てない」「何をしても意味がない」といった思いにとらわれ、日常生活に支障をきたすこともあります。

それでも多くの遺族は、少しずつ現実を受け入れ、環境に適応しようとします。その過程には時間がかかるケースが多く、ときには専門家の支援が必要となることもあります。
「グリーフケア」とは、遺族が日常を取り戻すためのプロセスを支えるケアのことです。

この記事では、支援に役立つ悲嘆反応やグリーフケアについてご紹介します。ご自身が当事者になることもあれば、誰かを支える立場になることもあるかもしれません。そんなときの参考となれば幸いです。

そもそもグリーフケアとは?

グリーフケア (4)

グリーフケアとは、深い悲しみを抱えた人がその感情と向き合い、少しずつ心を回復させていこうとする過程での支援のことです。
愛する人を亡くした直後は、言葉にできない想いや戸惑いに包まれることがあります。まずは「グリーフケアとは何か」を知ることから始めてみましょう。

グリーフケア(グリーフワーク)の定義

グリーフケアとは、グリーフワーク(身近な人との死別などによる深い悲しみに向き合い、少しずつ心を整理しながら日常を取り戻していこうとするプロセス)への支援や関わりを指します。
医療従事者やカウンセラーのほか、家族、友人など、さまざまな人が関わることもあり、元気づけるというよりは、ただ「そばにいる」「話を聞く」など、寄り添う姿勢が大切だとされています。

グリーフケアが注目を集める背景

少子高齢化が進行した現代の日本では、死別を経験することでグリーフを一人で抱え込んでしまう人も少なくありません。
特に、孤独死や突然死など予期せぬ別れの場合や、家族や地域のつながりが希薄傾向にある都市部においては、自身の感情を誰にも話せず、心の整理ができないまま日常に戻らざるを得ないという方もいらっしゃいます。

こうした背景から、個人の悲しみに寄り添い、安心して感情を表現できる場としてのグリーフケアの必要性が、これまで以上に注目されています。

グリーフケアの歴史

グリーフケアの基礎となったのは、アメリカの精神科医エリザベス・キューブラー=ロスが1969年に出版した著書「死ぬ瞬間」にある「死の受容の5段階モデル」です。
この著書は、末期的な病気で死に向かう人々が、自らの死についてどのように捉えているのかといった研究の成果がまとめられた内容ですが、やがて遺された人々の悲嘆のプロセスにも応用されるようになりました。

日本では2000年代以降、医療・福祉・宗教界などで少しずつ導入が進み、現在は専門機関や大学でも研究・実践が行われています。
特に災害やパンデミックなど、集団的な喪失体験を経た現代において、グリーフケアの体系的な知識と支援体制の整備が急務とされています。

グリーフケアの基本的な考え方

グリーフケア (5)

グリーフケアの基本的な考え方は、まず「悲しむことは極めて自然な反応である」と認めることにあります。
そのうえで、無理に忘れさせたり、乗り越えさせたり、悲嘆前の生活に戻させようとするのではなく、悲しみを受け止めながら前に進もうとする人に、さりげなく寄り添い、援助することが大切とされています。

グリーフによって現れる反応

ここまで再生期へ向かう心のプロセスをご紹介しましたが、実際にはその過程でさまざまな反応が心身に現れます。
本章では、グリーフによって現れる具体的な症状をみていきましょう。

  • 身体的な反応(症状)
    睡眠障害、食欲不振、頭痛、めまい、疲労、息切れ、震え など
  • 心理的・ 感情的反応(症状)
    悲しみ、ショック、怒り、罪悪感や自責の念、思慕、後悔の念や心残り、不安や恐怖、孤独感 など
  • 認知的な反応(症状)
    非現実感、否認、記憶力・集中力の低下、混乱、論理的な思考が困難になる など
  • 行動的反応
    涙が止まらない、引きこもる、故人を探す、落ち着かない、過活動、自己破壊的な行動(喫煙や飲酒の増大)、探索行動 など

これらの悲嘆反応が生じることは自然なものであり、すぐに元気になれない自分を責める必要はありません。
ただし、それが通常の範囲を超えると、ときに、うつ病性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)、不安障害など精神疾患を発症する場合があり、その場合は精神科的な治療が必要となることもあります。

遺族が日常を取り戻していこうとするプロセス(4段階)

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グリーフケアとは、遺族が深い悲しみを受け止めながら、自分なりの方法で日常を取り戻し、少しずつ前に進もうとする人への支援である点についてご理解いただけたかと存じます。ここでは、そんな深い悲しみを経て、人がどのように心を整理し、再び前に歩き出そうとするのか、その「心の流れ」とも言えるプロセスを、4つの段階に分けてご紹介します。

心の状態典型的な感情
ショック期現実を受け入れられず、感覚が麻痺したような状態。頭が真っ白になり、涙さえ出ないことも。混乱、茫然、実感のなさ
喪失期現実を受け入れ始めると同時に、強い悲しみや怒り、後悔などの念が一気に押し寄せる時期。深い悲しみ、怒り、自責、後悔
閉じこもり期外部との距離をとり、孤独や無力感を強く感じる。抑うつ状態に近い様子も見られる。孤独感、無気力、虚しさ
再生期少しずつ日常を取り戻し、前を向く準備が整ってくる。悲しみを抱えつつも歩み出す段階。希望、穏やかさ、新たな意欲

実践的な7つのグリーフケア

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深い悲しみを抱えたとき、人は心や体にさまざまな反応を示しながら、少しずつ日常を取り戻していこうとします。では、そのつらさとどのように向き合い、癒していけばよいのでしょうか。
ここでは、自分自身でできる7つのグリーフケアの方法を、やさしく具体的にご紹介します。

1. 自分の悲しみを認める

「いつまでも泣いていてはダメ」「悲しんではいけない」と無理に気持ちを押さえていませんか? まずは「悲しい」と感じる自分を責めず、その感情を受け入れることが大切です。ありのままの自分の気持ちに気づくことが、癒しの第一歩になります。

2. 愛する人への想いを言葉にしてみる

 心の中にしまい込んだ気持ちを、思い切って外に出してみましょう。 手紙に書く、誰かに話す、ひとり言をつぶやくなど、どんな形でも構いません。気持ちを言葉にすることで、少しずつ心の整理がつきやすくなります。

3. 自分らしいお別れの儀式を設ける

葬儀とは別に、自分のペースで故人を偲ぶ時間を持つことも大切です。 写真を並べたミニ写真展を開いたり、好きだった音楽を聴いたりするだけでも、心の癒しにつながります。小さな儀式が心を支える助けになります。

4. 心の拠りどころを見つける

 愛する人の遺品や、お墓・思い出の場所など、心のよりどころとなる存在に触れることで、落ち着きを取り戻せることがあります。 「この品を見ると安心する」「ここに来れば会える」といった、自分だけの心の拠りどころを見つけてみましょう。

5. 専門家に相談する

 誰かに話すことで、心が軽くなることもあります。 医師やカウンセラーがいる「グリーフケア外来」や、地域の相談機関など、専門的な支援を受けられる場があります。
ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りるのも、ふたたび前に向かって歩き出すための選択肢の1つです。

6. 同じ経験を持つ人とつながる

 同じような経験をした人たちと語り合える会やグループに参加してみましょう。 「自分だけじゃない」と気づけることが、大きな支えになります。安心して話せるつながりは、前に進む力になります。

7. グリーフに関する本を読む

 読書を通じて、自分の悲しみを少し離れた視点から見つめ直すことができます。 経験談や専門家の解説を読むことで、気持ちの整理にもつながります。
気になる本を見つけたら、まずは手に取ってみてください。

「グリーフケア」と「グリーフシェア」の違い

グリーフケアが「誰かがケアする・される」関係であるのに対し、グリーフシェアは「悲しみを共有する」ことに重きを置いた関係性です。介護現場などでは、スタッフ同士が感情を話し合える「グリーフシェア」の時間を持つことで、心の負担を減らし、離職の防止にも繋がっていると言われています。

グリーフケアに関してよくある質問

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グリーフケアについて、多くの方からお寄せいただく代表的なご質問にお答えいたします。

Q. グリーフケアの意味は?

A. 死別や喪失によって生じた深い悲しみを癒し、心の回復を支援する取り組みです。悲しみを無理に消すのではなく、自然な感情として受け止めながら、少しずつ日常生活に戻っていけるよう寄り添うことが目的です。

Q. グリーフケアでは何をするの?

A. 話を聞いたり、感情を表に出せる場を設けたり、専門家による相談などが行われています。必要に応じて、遺族会やサポートグループへの参加、手紙や儀式を通じた心の整理など、多様な方法で支援が提供されます。

おわりに

グリーフケア (1)

グリーフ(深い悲しみ)は、誰にでも起こりうるごく自然な心の反応です。人それぞれのペースで、その悲しみを受け止め、前に進んでいくためには時間が必要です。自分自身が支えを必要とする立場になることもあれば、誰かのそばで寄り添い、支える側になることもあるでしょう。
グリーフケアについてあらかじめ理解を深めておくことで、いざという時、大切な人にとって「安心できる存在」になれるかもしれません。

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