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葬儀コラム

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【終活豆知識】遺言書とエンディングノートの違いやそれぞれの役割について解説

終活

人生100年時代と言われる現代では、人生の棚卸(たなおろし)ともいえる「終活」への関心が高まっています。
その中でも、自身の意思を明確に伝え、大切な家族を守るために重要な役割を果たすのが「遺言書」「エンディングノート」です。

両者はともに、自身の終末期や死後のことについて書き残すという共通点があるものの、それぞれに異なる特徴をもちます。
またそれぞれにメリット・デメリットがあるため、上手に使い分ける必要があります。

そこで本記事では、遺言書とエンディングノートの双方について、特徴や長所などを紹介するとともに、両者の違いについて解説いたします。

エンディングノートとは?

エンディングノート

エンディングノートは、自分の人生の終末期や亡くなった後のことについて、希望や指示を記録するノートです。
法的な効力はありませんが、終末期医療や葬儀の方法、財産の管理、大切な人へのメッセージなど、自分の最終的な意志を家族に伝えるための大切な文書となります。

エンディングノートの目的と内容

エンディングノートの主な目的は、自身の意向を明確にし、遺族がその意向に沿った行動を取りやすくすることです。
エンディングノートに決まった形式はなく、どんな内容を記載するかも自由ですが、主に以下のような内容があげられます。

■主な内容

自分自身の情報氏名、住所、生年月日、家族構成、連絡先、医療情報など
財産情報預貯金、不動産、株、投資信託、貴金属など
葬儀・お墓に関する希望葬儀の形式、埋葬方法、お墓の場所など
医療・介護に関する希望延命治療の希望、介護サービスの利用希望など
大切な人へのメッセージ家族、友人、恋人への感謝の気持ち、伝えたいことなど

エンディングノートの作成と活用

エンディングノートに書式の定めはありませんので、一般的なノートを使用して作成することも可能です。
とはいえ、何を書いてよいか分からないという方は、あらかじめ主要項目が記載されたエンディングノートを購入してもよいでしょう。
最近では、エンディングノートを無料で配布している自治体もあります。

作成したエンディングノートの保管場所は、あらかじめ家族や信頼できる友人などに伝えておきましょう。
またエンディングノートは何度でも自由に書き直しができますので、折に触れて見直すことをおすすめします。

■主なメリット

家族の負担軽減必要な情報を整理しておくことで、家族が手続きに迷うことなくスムーズに対応できます。
意思の尊重自分の希望を明確にしておくことで、尊厳ある最期を迎えることができます。
心の整理自分の死について考えることで、人生の総括や残りの人生について考えるきっかけになります。

遺言書とは?

遺言書 (1)

遺言書とは、自分が亡くなった後について、財産のことだけでなく、葬儀やペットのことまで、様々な希望を書き残せる書類です。
特に相続においては、自身の意思を明確に伝えることで、大切な家族を守るために重要な役割を果たします。
法的な効力を持つため、遺言書がない場合と比べて、相続手続きをスムーズに進められるだけでなく、争いを防ぐ効果も期待できます。

自分に合った遺言書を選ぼう

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自分に合ったものを選びましょう。

①自筆証書遺言

自筆証書遺言は、故人が全文を自筆で書き、日付と署名をすることで有効となる遺言の形式です。
自筆証書遺言には以下のような特徴があります。

  • 全文を自筆で書く
  • 費用がかからない
  • 自分1人で作成可能
  • 紛失や改ざんのリスクがある
  • 記載内容や書式に不備があると無効になる可能性がある

②公正証書遺言

公正証書遺言は公証人と証人の前で作成され、公証人がその内容を証書に記載し、故人と証人が署名・押印することで有効となります。
公正証書遺言には以下のような特徴があります。

  • 公証人立会いのもと作成
  • 法的効力が高い
  • 紛失や改ざんの心配が少ない
  • 作成に費用がかかる
  • 証人2名が必要

③秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言内容の秘密保持と法的効力を両立させるために設けられています。
遺言者が署名と押印した遺言書を公証人と証人の前で封入し、公証人が封印についての証書を作成します。
秘密証書遺言には以下のような特徴があります。

  • 遺言の内容を完全に秘密にしておくことができる
  • パソコンでの作成や代筆が可能
  • 作成に費用が掛かる
  • 家庭裁判所での検認手続きが必要
  • 遺言書の内容を確認するためには相続人全員の同意が必要

秘密証書遺言は、遺言書の存在のみを証明する制度のため、記載内容や書式に不備があった場合は無効になる可能性があります。
自筆証書遺言や公正証書遺言にくらべてメリットが少ないこともあり、年間100件ほどしか利用されていないのが実情です。

自筆証書遺言書保管制度とは?

自筆証書遺言書保管制度は、法務局が自筆証書遺言書を原本(50年間)と画像データ(150年間)で保管する制度です。
大切な遺言書を紛失や・隠ぺい・破棄・改ざんといったトラブルから守り、相続人の負担を軽減します。

制度のメリット

  • 法務局が厳重に保管するため、紛失や改ざんの心配がない
  • 遺言者の死亡後、法務局は相続人へ遺言書の保管状況を通知する
  • 遺言書の原本が法務局に保管されているため、家庭裁判所での検認手続きが不要
  • 原本は50年間、画像データは150年間保管される

利用方法

  1. 遺言書を作成:民法の定める方式に従って、自筆証書遺言書を作成します。
  2. 申請書を記入:法務局のホームページから申請書をダウンロードし、必要事項を記入します。
  3. 法務局へ提出:遺言書原本、申請書、手数料を法務局へ提出します。

手数料

遺言書1通につき3,900円

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書は、どちらも自分が亡くなった後に、遺された人々への意思を伝えるためのものですが、目的や法的な効力に大きな違いがあります。
両者の主な違いを以下にまとめました。

項目エンディングノート遺言書
法的効力なしあり
内容自由に記述財産の相続に関する意思表示
形式自由法律で定められた形式
目的家族へのメッセージ、自分史など相続に関する意思表示

エンディングノートと遺言書は、それぞれ異なる特徴がありますので、目的に応じて使い分けることで、より効果的に活用できます。

  • エンディングノート:家族に自分の気持ちを伝えたい、人生を振り返りたい方におすすめです。
  • 遺言書:財産を確実に相続させたい、相続トラブルを防ぎたい方におすすめです。

どちらを作成するかは、個人の考え方や状況によって異なりますが、理想は、両方を合わせて作成することです。
エンディングノートで家族へのメッセージを伝え、遺言書で財産の相続に関する意思表示を明確にすることで、より万全な準備ができます。

おわりに

本記事では、エンディングノートと遺言書の違いに触れつつ、両者の効果的な活用方法などについて解説いたしました。
それぞれの特徴や、メリット・デメリットについても、ご理解いただけたかと存じます。

自身の人生を見つめ直し、終末期を安心して過ごすための方法として広がりつつある「終活」において、中心的な役割を果たすエンディングノート遺言書は、自身の想いを家族に伝え、スムーズな相続を実現するための重要なツールです。
エンディングノートで心の整理をし、遺言書で財産を確実に相続させるなど、両者の効果的な使い分けけに本記事をお役立ていただければ幸いです。