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葬儀コラム

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葬儀費用総額の内訳について|葬儀プランごとの費用相場を解説

葬儀に関するお悩みの中でも、多くの方が疑問や不安を感じるのが「費用面」でしょう。
その主な要因は、葬儀費用の総額が複数の要素から構成されており、最終的に必要となる金額が、一般消費者にとって分かりにくい点であると考えられます。

核家族化が進んだ日本では、葬儀に参列する機会も減少傾向にありますので、そもそも葬儀を滞りなく営むために、どんな設備や物品・サービスが必要となるのかさえ分からないという方も少なくないようです。
ましてや身近な方の葬儀は、ほとんどの方にとって、日常とかけ離れた不慣れな出来事ですので、費用相場を把握していないのも無理はないでしょう。

そこで本記事では、葬儀費用総額の内訳や、葬儀プランごとの費用相場について詳しく解説いたします。

葬儀費用を構成する3大要素

見積もり

葬儀を執り行うために必要となる費用は、主に「葬儀一式費用」「飲食接待費」「宗教費」の3つで構成されています。
とはいえ、いずれの文言も一般の方にとって馴染みのない言葉ですので、具体的にイメージしにくいかもしれません。
この章では、それぞれの内容について詳しく紹介します。

葬儀一式費用

祭壇

「葬儀一式費用」とは、葬儀に必要不可欠な設備や物品・サービスの費用全般を指す言葉です。
含まれる内容は多岐にわたりますので、具体的な内容を種類ごとに紹介します。

種類含まれる内容
搬送費・病院や自宅から安置場所まで故人様を搬送するための費用(寝台車)
・葬儀式場から火葬場まで故人様を搬送するための費用(寝台車・霊柩車)
ご安置費用・安置施設利用料
・ご遺体保全費用(保冷庫・ドライアイスなど)
式場利用料 葬儀式場利用料2日分(通夜式および葬儀・告別式)
葬具・枕飾り
・祭壇(白木祭壇・生花祭壇など)
・白木位牌
・香炉
・木魚・鉦など(宗派ごとに異なる)
・野道具各種(四華花・四本幡・松明など、地域の慣習によって異なる)
消耗品・遺影
・棺や骨壷・仏衣など
・線香・ローソク
設備・受付台
・芳名帳ならびに事務用品
・焼香台
サービス・運営スタッフ
・司会進行
・音響効果

一般的な内容としては上記の通りですが、地域や宗派によっては他の物品やサービスが必要になることもあります。

最近では、葬儀に必要な物品・サービス一式を含めたセットプランを、「〇〇葬プラン」「△△葬コース」などの名称で提供する葬儀社が多くなっています。
とはいえ、セットプランに含まれる内容は葬儀社ごとに異なり、上記の全てが含まれているとは限りません。
特に安価なプラン・コースでは、上記内容の一部が別料金となっているケースも珍しくありませんので、必ず詳細な見積もりを取ったうえで、プランに含まれる内容を確認しておきましょう。

飲食接待費

精進おとし

「飲食接待費」は、葬儀でお勤めいただいた僧侶や、参列いただいた方をもてなすための費用で、おもに「飲食費用」と「返礼品費」に分かれます。
参列者数の増減に比例して請求金額が変動するため、予算を立てるのが難しい費用といえるでしょう。

種類含まれる内容
飲食費用・通夜振る舞い
・精進落とし
・火葬待機中の軽食
・お菓子や飲み物
返礼品費・会葬礼状
・会葬返礼品
・引き出物

本来の香典返しは、四十九日の法要を済ませたのち、無事に忌明けを迎えた報告を兼ねて、お香典をいただいた方のご自宅まで持参するのがマナーとされていました。
しかし近年では郵送が主流となっているほか、葬儀当日に引き出物をお渡しすることで、香典返しの代わり(即日返し)とするケースも多くなっているようです。

宗教費

僧侶

葬儀は故人様を追悼するとともに、ご供養するための宗教儀式ですので、信仰する宗旨宗派ごとに定められた葬送儀礼の形式に則って執り行う必要があります。
葬儀における「宗教費」とは、式典を主導していただいた宗教者に納める費用を指します。

仏式の葬儀であれば僧侶が導師を務めますが、神葬祭(しんそうさい:神道式の葬儀)では神職が、キリスト教の葬儀式では牧師(プロテスタント)や神父(カトリック)が葬儀を取り仕切ります。
その際、僧侶にはお布施、神職には祭祀料、牧師や神父に対しては謝礼というかたちで、一定額の金銭を納めます。

また葬儀のために遠方から足を運んでいただいた場合は「お車代」を、宗教者が会食に参加しない場合は「お膳料」を、お布施や謝礼とは別にお渡しするのがマナーとなっています。
このように宗教者に納める金銭は、すべて「宗教費」に含まれます。

「葬儀一式費用」や「飲食接待費」は葬儀社に商品やサービスの対価として支払うのに対し、宗教者に納める「宗教費」は基本的に寄付という扱いになりますので、費用としての性質が大きく異なります。

その他費用

ここまでは、葬儀に不可欠な「葬儀一式費用」や「飲食接待費」「宗教費」について、それぞれ説明してきました。
しかし上記の3つは、葬儀を執り行ううえで最低限必要になるものですので、より手厚く弔いたい場合は、有料のオプションサービスを利用することとなります。
具体的なオプションサービスとしては、エンバーミングや湯灌・ラストメイク、祭壇や棺・骨壷・仏衣などのグレードアップ、供花・供物などが代表的です。

さらに火葬費用も別途必要になるほか、民営火葬場が多くを占める東京23区では、骨壷も火葬場で購入するのが通例となっているようです。
火葬費用は地域によって金額が異なり、東京23区では最も安価な最上等炉でも10万円ほど必要となる一方、同じ東京都でも八王子市や立川市など市町村部の一部では、地域住民は無料で利用可能と、地域差が大きくなっています。

葬儀プランごとの価格や費用総額の相場について

費用相場

葬儀プランに含まれる内容や価格は葬儀社ごとに異なるため、費用総額にも幅が出やすいのが実情です。
また地域ごとに異なる葬送習慣や、宗派の違いによって必要となる葬具や仏具・設備も変わってくるため、費用総額も少なからず影響を受けます。
こういった事情から、葬儀費用総額の相場を一概には言うのは難しいため、あくまでも参考になりますが、葬祭各社が実施したアンケートの結果を確認すると、一般的な相場としては以下のようなイメージとなると考えられます。

葬儀プラン参列者数の目安プラン費用相場葬儀費用総額の相場
直葬(火葬式)1名~10名ほど10万円~30万円ほど20万円~40万円ほど
一日葬5名~30名ほど30万円~80万円ほど60万円~120万円ほど
家族葬5名~30名ほど60万円~120万円ほど80万円~140万円ほど
一般葬50名以上100万円~(参列者数・式場規模によって大きく異なる)150万円~(参列者数・式場規模によって大きく異なる)

火葬だけで見送る「直葬」の葬儀費用総額が、20万円~40万円は高いと感じるかもしれませんが、火葬費用が加算されることを考慮すると、妥当な金額といえるでしょう。
また生活保護法第18条で定められた「葬祭扶助」の基準額が、大人の場合188,100円~215,000円(地域によって異なる)と定められていることからみても、適切な金額と考えられます。

また直葬にくらべて、一日葬・家族葬・一般葬のプラン金額と葬儀費用総額の差が大きいのは、飲食接待費が加算されるためです。
直葬では、参列者が同居の親族のみというケースが多く、会食や返礼品を省略することも少なくありません。
一方、一般葬はもちろんのこと、一日葬や家族葬でも一定数以上の方が参列される場合は、身内以外の方もいらっしゃるケースが多いため、通夜振る舞い・精進落としといった会食の席を設けるのが一般的です。
飲食接待費は、参列者数によって金額が変動するため、葬儀費用総額の変動幅も大きくなる傾向にあります。

おわりに

本記事では、複雑で分かりにくい葬儀費用総額の内訳や、大まかな相場について解説いたしました。
葬儀に必要となる費用は個人差が大きすぎるため、明確に金額を提示することはできませんが、葬儀の予算を検討する際の参考にしていただければ幸いです。

価値観や生活スタイルが多様化した現在では、大切な方を見送る葬儀の捉え方も各家庭で異なります。
また葬儀の形式についても、故人様・ご遺族様の社会的な立場や、交友関係の広さなども考慮したうえで選択する必要があるでしょう。

近年では多くの葬儀社で事前相談を受け付けていますが、ある程度まで希望条件を伝えれば、概算の見積もりを作成してもらうことも可能です。
さらに同じ条件で複数社から見積もりを取って比較すれば、希望する葬儀を施行するために必要となる費用の大まかな相場も把握できます。
個人的に事前相談を申し込むのが不安な場合は、不定期に開催される葬儀の事前相談会や式場見学会・終活セミナーなどのイベントに足を運んでみるのも1つの方法です。